第2章 秘密なのは暗黙の了解。
「お姫様だっこって…!なんだか、小説みたいだね」
「そう?」
いずみさんをゆっくりベッドに寝かせた。俺もいずみさんの隣にダイブした。
「小説の中でさ、たまに、お姫様だっこして女の子をベッドまで持ってくじゃん。あれ、クサイよねー。でも、そういう小説の主人公って、ナチュラルメイクで、黒髪ロングヘアー、普通の会社員で、処女なのよねーっ!そういのって、クサイけど憧れるけど…笑」
「そうなんだ。やけに詳しいじゃーん」
「あたしは随分それとかけ離れてるけどね。化粧けばいし、ネイル派手だし…」
ふふふ、と笑ういずみさんの髪の毛を、くしゅっと触った。
コテで巻いてある茶色がかった髪の毛を触ると、フワフワして見た目と違った。
スプレーで、固めてるのかと思いきや、案外…ふわふわしてて気持ちいい。
「いずみさんの髪の毛、綺麗だね」
「えーっありがとう…♪」
ベッドで、2人が見つめ合う。
俺は体を起こして、いずみさんの上に被さりキスをした。
ちゅ、ちゅっというキスから、段々大胆になっていく。
あ、舌が少し触れた。と思ってにゅる、っと口の中に舌を入れる。
生暖かい舌が絡み合うと、酒の混じった甘い吐息が漏れていた。