第2章 秘密なのは暗黙の了解。
「少し甘い香水の香りかな」
そう言うと、はんば強引に俺の唇にキスをしてきた。
ドキッとする。
ちゅっ、ちゅ、と軽いキスを交わす。
柔らかい唇。
「ねぇ、寝室行きたいな…」
いずみさんは、積極的で大胆。
高校時代、いずみさんの噂を聞いたことがある。
男たらしだ、ビッチだ、と。
でも、俺は聞かないようにしていた。
いずみさんの、魅力に勝てるわけがない。
いずみさんは、学校でも目立つ存在だった。
高校生なのに、どこか大人っぽくて色気があって、みんなの憧れだった。
俺も密かに二つ上のいずみさんに憧れていた。
「いこっか」
いずみさんの体を持ち上げようとしたが、
「あたし重いから…1人で歩けるよ」
と言ったので、二人でリビングに向かう。
だが、いずみさんはやっぱり飲み過ぎたみたいで。
どさっ、と床に倒れこんだ
「ちょ、いずみさん?!大丈夫?!」
「やばいー!飲み過ぎてクラクラ。笑でも、大丈夫だよ~」
倒れこんだまま、俺の胸ぐらを掴み引き寄せられて、またキスしてきた。
こういうシチュエーションに弱い俺…
いずみさんの体を持ち上げて、お姫様だっこで、寝室まで向かう。
軽いだろ、じゅうぶん。笑
と心の中で、呟いた。
やめてーっ!重たいから!とギャァギャア騒ぐいずみさん。