第1章 いいこと、わるいこと。
「いずみさん!」
「お。玉森くんー!」
いずみさんは、コンビニの前でしゃがんで1人で缶ビールを飲んでいた。
ひらひらと、俺に手を振った。
足を揃えて、綺麗にしゃがんでる。
バランスすげーな!笑
「いずみさん。高校生じゃないんだから。立派なお姉さまなんだから。しゃがむのやめなさい。笑」
いずみさんは、小生意気な俺に、そうだね、ふふふっ、と笑った。
整っている顔が、ふにゃっ、と緩む。
とってもいずみさんはキュートだ。
「玉森くん、遅いからコンビニでお買い物してたよ~、ほら♪」
コンビニで買った、アルコール類やら、おつまみやらの袋を、俺の目の前に置いた。
「玉森くんの分も買ったから、一緒に飲も♪」
「マジ!ありがとう!」
財布をポケットから取り出そうとしたら、いずみさんが言う
「今日は私が出すよ。その代わり、この袋重たいから持ってくれない?」
「持つのはいいけど、自分の分くらい出すよ」
「いーのー!あたし、お姉さんなんでしょー?玉森くんより、年上なんでしょー?だから、たまには甘えなさーい。ねっ??」
酔っ払った笑い方をするいずみさん
ふははは~
と、楽しそうだった
「じゃ、お言葉に甘えて。ありがと」
「いいえ!じゃぁ、玉森くん家行こ!」
「そうだね、体冷えるー」
2人して小走りで家に向かっていく。
夜中なのに、凄く目が冴えていた。今日、仕事の合間昼寝したからかなぁ…。