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黒鈴【東京喰種】

第1章 黒い天使


「しゅずやしぇんぱい…」
「何ですかもうこんなにべろべろになって。
明日辛いですよ」

お仕事を終らせて鈴屋先輩とご飯に来た。
うれしすぎてお酒をたくさん飲んでしまったらしい。

私弱いの忘れてた…。

「このかお顔が真っ赤ですよ」
「えへへ~…
すじゅや先輩だってほっぺピンク色ですよ」

いつもはくりくりした鈴屋先輩の目も、
お酒を通したらとろーんとしててほっぺがほんのりピンク色。

可愛い…

「ホラ、もう帰りますよ~」
「いやぁ~」

無理やり私を帰らせようとしてる
鈴屋先輩の袖をくいっと引っ張った。

「鈴屋先輩と、お話がしたいれす」
「お話…ですか?」

「篠原さんとのお話をお聞きしたい…」
酔っているとはいえ、失礼だったかもしれない。

「……」

鈴屋先輩困ってる?
頭がとろーんってして思考回路が回らない。
しばらく鈴屋先輩を見つめていると、

「篠原さんは…僕に色んな事を教えてくれました」
「色んな事…?」

「篠原さんと組んでいた頃、
僕は嫌いな奴はすぐに傷つけるし、死んだってどうでもよかったんです」

私はだまって頷く

「篠原さんが入院しても、お見舞いも行きませんでした。
でも梟討伐の時に気づいたんです」
「…?」

「篠原さんは、僕が人を傷つける度に怒りました。
その時は気づかなかったけど怒るのは僕の為だったんです」

「…」

「だから今の僕があるのも、篠原さんのおかげ」
鈴屋先輩は更に続けた
「篠原さんが動かなくなって、初めて悲しさを知りました。
だからこれ以上僕の大切な人をなくしたくないです…」

鈴屋先輩は話し終わったようで、
うつむいて黙っている

「大切な人…?」
「このかが僕の大切な人です。
篠原さんが僕を大切にしてくれたように、このかを大切にします」

「私は…なくならないです」
「ほんとですかぁ?」

ほんとです!
って言おうとしたけど…
この前喰種にやられたばかりだから
それ以上言えなかった。

「さっ、話しは終わりです。
今日は僕がこのかの家までおくりますから」
そう言って鈴屋先輩は私に肩を貸してくれた。
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