第1章 黒い天使
「…?」
どれくらい時間がたったのだろう
目を覚ました私は見慣れない天井が見えて少しびっくりしたけど、
左腕、右脚、腹部の痛みに
道で喰種に襲われた事を思い出した。
窓の外が少し明るい
朝かな?
「起きましたかこのか」
「鈴屋先輩…ここは?」
ゆっくりと上半身を起こして辺りを見渡す。
「ここは病院ですよ~。
このかは出血が多くて気絶してたみたいです」
「そう…だったんですか。
すみません…」
と言った同時に涙が溢れてきた
「っ……ぅっ…」
「どうしたんです?怖かったですか」
「違います…っ!私、捜査官なのに…。戦えなかった…」
「…」
ポタポタと布団に涙が落ちていく。
ああ、ほんとに情けない。
「大丈夫です」
「あっ…」
鈴屋先輩が私の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
「このかが無事でよかったです。
それに喰種と戦う機会はまだまだありますよ~」
泣いてる私の涙をふいてくれる鈴屋先輩は
とてもかっこよくて、優しい。
それに、鈴屋先輩はきっと私が起きるまでずっと隣で待っててくれたんだと思う。
「ありがとうございます…!
早く傷を治して復帰しますね!!」
それから1週間後、私は無事復帰した。
まだ少し痛いけど…こんなのは気の持ちようだよね!
「おはようございます!」
元気よく挨拶をしながら会議室のドアを開けた
「ひいらぎ二等!
傷は大丈夫ですか?」
会議室にいた皆さんが声をかけてくれた。
「大丈夫です!ご迷惑をかけて申し訳ありません」
「いやいや、無事で何より」
ん?鈴屋先輩がいない…
「あの、すみません。鈴屋先輩は?」
「鈴屋上等ならきっと病院だと思いますよ」
病院かぁ…篠原さんの所かも。
「ありがとうございます!」
私は早く鈴屋先輩に会いたくて、篠原さんのいる病院に行った。