第1章 黒い天使
「で、ここが食堂です」
「おー!料理美味しそうです!」
今は鈴屋先輩にCCG内を案内してもらってる。
鈴屋先輩は話しやすくて、一緒にいて楽しい
「このか、説明ばかり聞いててもつかれるでしょう?」
と言うと、鈴屋先輩は
自分の服のポッケから箱を取り出した。
「ちょうど食堂があるのでおやつタイムにするです。
昨日チョコ買ってきたですよ~」
鈴屋先輩が持ってる小さな箱には、
あの有名な高級チョコのお店のロゴマークがついていた。
なぜか二人でおやつタイム。
お仕事中なのにいいのかな?
鈴屋先輩!捜査に出かけましょう!
とか言うべき?
でも高級チョコもらっちゃった。
うぐ…嬉しすぎて顔がニヤける…。
って!私ってば
考えてる事とやってることが矛盾してる…!!
「このかは表情がころころ変わって
面白いです」
「そっ!そんな!!」
見られてた…。
「さ~、それ食べ終わったら外に出て
捜査しに行くですよ。」
「っ!はいっ!」
~~
今日の捜査はなんの手がかりも
つかめなかったみたい。
「そうだ、このか!
これ渡しておきます」
「?」
差し出されたのは小型のナイフ。
「対喰種用クインケ、『サソリ』さんです」
「ありがとうございます!」
使いやすそうでよかった。
僕、頑張ってくすねてきたんですよ~!
って鈴屋先輩は得意げに言ってるけど…
うん、聞かなかった事にしよう。
「僕これから病院行きますけど
このかはどうします?」
「ついていってもいいなら
ついていきます!」
鈴屋先輩が病院?
どこか悪いのかな…。
病院の廊下を歩いてる
鈴屋先輩は思いつめたような表情?
鈴屋先輩が病室の扉を開けると、
そこには静かに眠る男の人がいた。
その男の人に向かって鈴屋先輩が
「篠原さん、来ましたよ~」
篠原? ってあの
不屈のシノハラと呼ばれた…
私も名前くらいは知っていた。
ただどんな方なのかは知らない
「篠原さん!この方が僕の部下のこのかです」
「しっ!篠原特等捜査官!!
鈴屋先輩の部下のひいらぎこのか二等捜査官です」
いきなり名前をだされてびっくりしたけど、
私は深々と頭をさげた