第2章 なやみごと。
月明かりの下、私と鈴屋くんは並んで歩いてる
手を伸ばせば届きそうなくらい
鈴屋くんの体が近い。
何か違うことを考えて、気を紛らわせよう。
「鈴屋くん、いつから私のこと好きなの?」
って!こら!!
いまかわゆりこ二等捜査官!!
違うこと考えてないじゃん…
馬鹿は私です。
「いきなりですか~…。」
「いっ!いや、あの…っ!」
鈴屋くんは少し考える素振りをしてから、
「ゆりこを初めて見た時からです」
「ほえ…」
私と鈴屋くんが出会ったのは、
ほんの三ヶ月前
もともと13区だった私が、20区に移動してきたんだ。
「見た時から可愛いな~って思ってて、
ゆりこを見てるうちに好きになってました」
「そっか…」
「今日は謝らないんです?」
「えっ?」
「昨日好きって言った時、
私は亜門さんが好きだからって謝ってたじゃないですか」
そうだ、昨日はそう言った
でも今はそんな言葉考えてもなかった。
私は亜門さんが好きなんだよ
鈴屋くんを好きになっちゃダメ。
「大丈夫ですか?」
うつむいてる私を鈴屋くんは心配そうに見つめてる。
「大丈夫…」
鈴屋くんを見ると、
そうですか!って言ってニコニコ笑ってる。
さっき、私なんて思った?
(鈴屋くんを好きになっちゃダメ。)
どうしてそう思ったか
もう自分で分かってるはず
私は鈴屋くんの事…