第2章 なやみごと。
今は夜8時。
ちょうど帰り支度をしていたら、
亜門さんがいた。
「亜門さん!今帰りですか?」
「いや、もう少し仕事をしてから帰る。」
そっかぁ
一緒に帰るチャンスだったのに。
「そうだ、ゆりこ
アキラがお前の事心配してたぞ。
大丈夫か?」
「えっ!?そうなんですかっ!!
大丈夫です…!すみません…」
いろんな人に心配かけちゃってたんだ…
しっかりしないと。
「明日、アキラちゃんに謝っておきます!」
「わかった。
もう帰れ。遅い時間だから。」
「はいっ!また明日!」
亜門さんにお辞儀して急ぎ足でCCGを出た。
何を隠そう、私は暗いのが苦手なのだ
うう…捜査官の恥ですね。。
早歩きで暗い道を帰ってたら
後ろから声をかけられた。
「いたいた!ゆりこ!
家までおくりますよ~!」
「鈴屋くん…」
いつもの私なら、
ここで来るのは亜門さんならよかったのに
とか考えてるところだけど…
心臓がうるさくてそれどころじゃない。
「どうして鈴屋くんが?」
「決まってるじゃないですか、
ゆりこは暗いところが苦手だからですよ」
…知ってたんだね。
「あ…ありがとう」
心臓の音がさっきより早くなってる。
それに手が熱い
「あ~っ!またゆりこの顔が赤くなってます~!!」
「えっ!?えっ!!」
暗くて顔なんて見えてないと思ってたけど
さっきより月明かりが明るくなっていて
丸見えだったらしい。
「ああもう……。鈴屋くんの馬鹿ぁ~」
「どうしてですか!?」
「…わかんない。鈴屋くんと話してると赤くなるの!」
本当にわからない。
考えれば考える程、体が熱くなる
この感情に名前をつけるとしたら…
どんな名前になるんだろう?
亜門さんの時とはまた
別の感情。
ねぇ、鈴屋くんはこの感情の正体
わかりますか?