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恋愛短編集

第2章 現実エスケープ


「あー満足でしたー」

そう言って結城くんは二本目の煙草に火をつける。
何に満足したかは聞かないでおく。


「俺の想像したアズサさん、超せくしーでした。スカートの隙間から見えました」

言うなよ。あえて聞かなかったこと聞くなよ。
もうこの子、嫌だ。

嫌そうな顔をワザとすると、こっちを見て
にやりと笑う。


「じゃー、俺のことも想像していいですよ?」

私は手を上げて 自分からは結城くんの顔が見えないようにする。

えっと、イケメン、イケメン、イケメン、、、
今から結城君はイケメンになる。今から結城君はイケメンになる。

こっちを向いて微笑みかけてくるのは
背が高くって、お金持ちで、長男以外で、頭良くって、性格良くって、もちろん顔は良くって。
で、私には超優しい人。


「俺、けっこうイケメンって言われますけど?」
結城君は煙草の息を思いっきり私に吹きかけてくる。
距離があるって言っても煙がこっちに届く。副流煙。副流煙。

確かに顔整ってるけど私のタイプじゃないんだよな。


「だから、全部独り言聞こえてますって」

結城君の立ち位置がずれた所為で私のイケメンが結城君に戻る。
つまんね。

仰向きで寝てたのを身体を起こして今度はうつ伏せになる。
曲げた足をぱたぱたと動かしてると結城君が足首を掴む。


「そろそろ戻らないといけないんじゃないですか?」

確かに、そうだ。もうそろそろ戻らないとさすがにまずい。
ひなたぼっこも充分楽しんだ。
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