第6章 Happy Birthday to me...【ラフ甘男子】
「いいじゃないですか、数分くらい。僕が祝いたかったんです」
高城はグラスに残った焼酎をぐっと煽った。
その顔を見ていたら、急に、張り詰めていた見栄や孤独がどうでもよくなって、深い眠気が足元から這い上がってくるのを感じた。
「ありがと。……高城、もう泊まってっていいよ。私、限界。眠いし」
ソファの背もたれに体重を預ける。
「え、泊まってっていいって、僕ここで寝ろってことですか?」
「そう。おやすみ」
「ちょ、お姉さん? 倒れる方向、逆!」
呆れたような高城の声を聞きながら、私は完全に意識を手放した。
ソファに倒れ込む寸前、何かの布地に触れた感触があったことだけは、なんとなく覚えている。
リビングには、甘いケーキの匂いと、少し苦いお酒の匂いが混ざり合って漂っていた。