第6章 Happy Birthday to me...【ラフ甘男子】
「そんなに好きなんですね」
「そりゃあ、そうよ。あそこのパンケーキ知ってる?
毎朝食べれたら幸せだと思うわ。一生食べても絶対飽きないと思う」
あのケーキ屋のパンケーキ。店内の喫茶スペース限定で提供されているもの。
ふわふわなのに、しっかり焼き目もついていて、その上に季節のフルーツと、ホイップされたバタークリーム。
そこに少し、備え付けのメープルシロップをかける。
ホント、最高。
「一生は言い過ぎでしょ。僕なら、そんなに食べられないな」
自分から話を振っておいて彼は私の言葉を否定した。
それが癪に障った。言いすぎなわけない、私は本気でそう思っているのだから。
――ケーキが好きなんて意外
そう言われることが多かった。実際、私もそこまで好きじゃなかった。
でも、変わったのだ。
あのケーキ屋に出会ってから私の価値観はガラリと変わった。
甘いものなんて、と思って距離を置いていた今までの自分を真っ向から否定したくなるような、そんな出会いだった。
「ね、言い過ぎですよね?」
私がそんなことを考えてるとも露知らず。
彼は私の言葉を否定するだけだ。
それが無性に悔しくて、自分のことかのように感じてしまって
つい、こんなことを言ってしまった。
「このケーキ、食べてみれば分かる。
これからうちに来て食べればいい!」