第8章 別稿 私の気持ちは、難解で。
遂に私の一番苦手な時期がやってきました。
夏という時期は一番苦手なのです。
止め処なく流れる汗がとても不快に感じます。
それでも私は腕を覆った長袖のシャツを着ることを止めません。
あまり日光が好きではないので年中日陰で暮らしていきたいのです。綺羅綺羅と指す光には当たらず、しっとりとした日陰でゆっくりと。
屋内に居るときは少し袖を上げます。
その腕は病弱に見えるようで友人からは心配されますが私は至って健康体です。
日光が嫌いなだけなのですから。
夏休みに入ると家から出なくてもよくなるので私はそれを心待ちにしていました。
終業式も終わり、少し浮かれ気分で鞄を持って昇降口に向かうと丹羽先輩が居ました。
どなたか友人と思われる方とお話しをしていたようですが私に気付くとこちらにやって来ました。
丹羽先輩は私が夏休みの間、中学校に来る事があるかを訊ねてきました。
私は部活もやっていないですので来ることはないと答えます。
そう言われてみれば、夏休みになると丹羽先輩にはお会いできないのでお話をする機会がないことを今更気付きました。
家では家族がいるので話し相手に困る事はありません。
友人たちとも何度か遊ぶ約束をしています。
なのでこの夏休み期間中に少しでも丹羽先輩以外の人たちとも丹羽先輩と話すときと同じようにいっぱいお話出来るようになることを目標にしようと思いました。