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言われてみれば、単純で。

第8章 別稿 私の気持ちは、難解で。



私は帰る準備をする為に自分の鞄を机の上に置きました。
丹羽先輩は変なキーホルダーをそこに付けはじめます。

「修学旅行のお土産」

私はそういった類があまり好きではないので友人達とは違い何もつけてませんでした。
そこに初めてなにか、キャラクターのものが付けられたので自分のものではないような気がします。

「子供っぽい」
「俺、まだ中学生だから子供です」

確かにその通りではありますが、目的もなしに揺れる。少し邪魔そうなそれは丹羽先輩に似てました。
丹羽先輩とお話をするとよく言葉が出るようになってきた私。以前の私じゃないみたいになります。
それが、この私のものではなくなったような鞄によく似ていたのです。

そのように思っても上手く伝える事が出来ないと思ったので丹羽先輩のように少し冗談を言ってみる事にしました。

「こんなところにつけたら少し邪魔です」
丹羽先輩は笑っていました。私の冗談は上手くいったのでしょうか。

鞄を見るとキーホルダーがゆらゆらと揺れていて私の鞄は私の鞄のようではなくなったけれど、こういう私の鞄も悪くないと思いました。

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