第2章 君との出会いは、偶然で。
「丹羽先輩。ご馳走様でした」
「いえいえ。此方こそいいお店教えてくれてありがとう」
「また来ますって言ってましたけど、また行くんですか?」
「え? 今度は奢ってくれるんでしょ?」
「あ、そうでしたね」
上機嫌になりながらも酔いがまわっているのかのんびりとした足取りであるくキョーちゃん。
その後ろを俺もゆっくりと歩く。
俺は自分の家への道のりを歩いている。
目の前のキョーちゃんは何処へ向かっているのだろうか。
そういえば彼女の家の方向を聞いていない。
「キョーちゃん、今住んでる家何処?」
「えっと、あの一際高い背の高いマンションの道挟んだ向こう側です」
「は?」
「だから、あっちの方向ですって。最近出来たんですよね。あのマンション」
「俺、そのマンションに住んでるんだけど」
偶然が重なりすぎだろう。
彼女が指差したマンションは俺が住み始めたマンション。
この辺りにはまだ少ない高層でそれが気に入って購入を決めた。
高いとこが好きなんだよ。馬鹿だから。
弱冠高所恐怖症の気はあるがあのゾクゾク感がたまらない。
こう言うとマゾっぽいけど。
そのマンションの道を挟んで向かい側?
確かに低層の賃貸マンションがあった気がする。
彼女と俺の家は近所も近所。目と鼻の先のようだ。
キョーちゃんは目をパチクリさせている。
俺だってすごく驚いてるとこですよ。