第8章 別稿 私の気持ちは、難解で。
「何書きますか?」
一番目立たない、でも一番目立つ黒のペンを持ちながら問いかけます。何を書けばいいのか、まだ決めていませんでした。自分に聞いたら意味ない、そう言った丹羽先輩は私の手元をじっと見ていました。
書く内容は、私が決めるべきものです。分かっているのに、言葉は頭の中に沢山ある筈なのにペン先は動こうとしませんでした。
何を書こうか、少し考えます。思い返せば、丹羽先輩はよく話しかけてきました。静かに過ごしたいときも、そうでないときも、関係なく。
正直に言えば、邪魔だと思ったこともあります。
でも、そこで、一度思考が止まりました。続きの言葉が、すぐには出てきませんでした。