第8章 別稿 私の気持ちは、難解で。
「きっと、寂しくなくなります」
本当にそうなるかは分かりません。ただ、何かに集中していれば時間は過ぎていきますし、考える余裕もなくなるでしょう。そういう意味では、間違ってはいないと思います。
「そういうものなの?」
「多分。ほら、勉強してると時間忘れるし」
これは、私自身の経験則でもあります。問題集に向き合っていると、時間の感覚が曖昧になることがあります。気付けば外が暗くなっていることも少なくありません。だから、その間は少なくとも、余計なことを考えなくて済みます。成績がそれについてこないことが疑問です。でも少しは分かってるのです、問題集を見ながらも私の頭は別のことを考えていることがよくあることを。
「確かにそれはそうだね」
丹羽先輩は納得したように頷きました。本当に納得しているのか、それとも話を合わせているだけなのかは分かりません。そういうところが少し分かりにくいのです。しかし、これはいつも通りの丹羽先輩なので、私は気にせず手元にある本の文節に目を戻しました。