第3章 夏休み後半
霧が晴れる頃に 58話 着替えの長さ
カンカンとした日差しの中、元気な死にそうになりながら歩いていると慶と林の目に輝きが戻る。
「ついたぁ!プールだぁ!」
「おおおおおおっ!」
駆け出す2人の後ろをから笑いしながら仁と楓は歩く。
「はぁ…ついたか…」
「おもいっきり…南だったね…」
林の前情報と真逆の方向にあったプールからはウォータースライダーが見える。
「楓ちゃーん!霧ケ谷くーん!はやくー!」
顔を輝かせながらぴょんぴょん跳ねて大人びた2組を呼ぶ林。
「はいはい」
そう返事をしてすでに受付を済まし、入場券を買った慶の所へ行き券を受けとる。
「サンキュ」
「ありがと」
慶と林のテンションに押されて逆に落ち着き過ぎている仁と楓がそっくりに返事をし、入口から入る。
プールはといえばかなり大きく入って右側には芝生でそこに荷物が置ける様になっているのでそこにまとめて持ってきたお菓子やら浮輪やらを置く。
「更衣室は…と」
辺りを見回せはそれらしい建物があり、着替え終わったらまた此処に集まるよう決めて男女それぞれ更衣室へ向かう。
「しっかしああも考えることが被るとは…」
仁が部活が終わって帰るとこれから4人で集まれないかというメールがあり、集まってみれば今日のプールへ行く話だった。
「暑いからな、考えることは同じだ」
はははっと笑って答える慶はたのしそうだ。
「ってか、男子のが断トツに着替えるの早いよな、先に浮輪とか膨らませとくか」
すでに着替え終わった仁がまもなく着替え終わる慶に言う。
「おぉ、よし、行くか」
女子の着替えの時間の長さを利用しテキパキ次の行動を決めた男子2人はさっきの場所に戻りまだ着替えてるであろう女子2人を
浮輪を空気入れでキコキコ膨らませて待つのだった。