• テキストサイズ

霧が晴れる頃に

第2章 テスト…そして夏休み前半


霧が晴れる頃に 47話 ピッチングゲーム

それから4人はしばらくりんご飴やらお好み焼きやらカステラやらを食べ歩いていたが一通り食べ終えたときピッチングゲームが目に入る。
「おい、慶、やってみろよ」
「お?ピッチング?仁は?」
「俺の身体能力は並だ、お前やれよ」
「慶ちゃんやってよ!景品みなよ!ここの屋台とか色々な物のタダ券だって!」
そう聞いてそろそろ財布も寂しくなってきた慶はノリノリでお金をわたしボールを握る。
ピラミッド形に積み上げられている6個の木製の小さいペットボトルサイズの的を全て倒すと賞品が手に入るらしい。
(重そうだな…)
他の客は全て倒さねばいけないので当然下の方を狙うのだが的が重いらしく全然倒れていない。
それを見た仁は慶に「おい、右から1つ目と2つ目の間をおもいっきり投げろ、ダメで元々だ」
そうアドバイスし一歩下がる。
慶が体勢が崩れる程おもいっきり投げたボールは一直線に仁が指示した所へ飛んでいく。

パカン!ガラガラ……

崩れる、崩れた的でボウリングのように他の的も倒れる、また倒れる、最後の的に倒れた的が当たる、揺らぐ、傾く…………倒れる。

「よっしゃあ!!!」
難攻不落だったピッチングゲーム屋が攻略され辺りが湧く。
「兄ちゃんすげぇな!一発で倒すとは!」
「やるな!うちの野球部こないか!」
慶が少し照れ笑いしながら褒め、話しかけてくる人達にお辞儀し、驚いた顔で立ち尽くしている店主から賞品をもぎ取り戻ってくる。
「…すごいじゃない、雨宮君」
「よっ!さすが!男前!」
「ほんとにやりやがった…な」
楓からはお褒めの言葉を、林からは茶化すような言葉を、仁からは驚きの言葉を貰い慶はほくほくしながら
「ラッキーラッキー。5枚貰ったから1枚ずつあげるぜ!感謝しろ!」
といってタダ券を配る。
一応お礼を言って受けとった仁は改めて周りを見て言う。
「にしてもほんとカップルばっかだな」
それを聞いた林が良いこと思いついたとでもいいたげな顔でニコニコ仁を見る。
「ねぇ!どうせならもっとカップルの多いとこ行ってみない!?」
「はぁ?林、そりゃ何処だよ!」
券を配り終え、裏面に記載してある使える店を確認していた慶が疑問の声を出す。
「そりゃもちろん!お化け屋敷よ!」
/ 162ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp