第2章 テスト…そして夏休み前半
霧が晴れる頃に 44話 暇する仁
(暇だ…)
自室の電子時計が『7月30日15時30分』を記す。
昼の日光が射す部屋で扇風機をつけ、楓から借りた本も読み終わり、ボーッとベッドに座りながら暇を持て余すじんだった。
戦力は大きくても荒削り過ぎるチームにバレーボール部は3回戦
敗退(林と楓は部活で応援にこれなかったので弁当はなし)。少し休みを取ろうと唐突にOFFを貰った仁達だったがいきなりそんなこと言われてもやることがなかった。
宿題もすでに半分以上終わっているためこれ以上やる必要もなく、仕方ないと睡眠を取ろうと横になろうとしたときベッド脇の携帯が鳴り出す。
確認すれば慶からメールが来ていた、内容は
『よお!仁!今日どうせ暇だろ!?夕方15時50分に神社来て!金少し多めに持ってな!あとご家族に遅くなるっていっとけよ!』
と、目的もメンバーも、そして中途半端な時間の理由もわからないメールが届いたが、時間と場所と持ち物だけはわかるので聞くのもめんどくさく『了解』とだけ返信しノロノロ立ち上がり出かける準備をし始める。
時間ピッタリに着いた神社にはすでに慶がいた、いつも通りの少しチャラくも見える服装だ。
ちなみに仁はものすごくシンプルな服装だ。
「仁!時間ピッタリ!少しは余裕持てよ!」
あきれ笑いする慶に仁はすかさず言い返す。
「ピッタリならいいじゃねぇか、第一お前との約束に1、2分遅れたとこでな~。しかも50分なんて時間、もともと余裕持ってるんだろ」
全てお見通しというような仁だが肝心の此処に呼ばれた理由はわからない。
「おま…その通りだが…ま、そんなことはいいとして、なんでよんだかっていうと~…ドゥルルルルルルルルル」
口でドラムロールのような
事をやって勿体振る慶に早くしろと足で膝を蹴っ飛ばせば「いてっ」といってからやっと発表する。
「隣町の夏祭りに行きます!イツメン4人で!」
イツメンというのは勿論この二人と楓と林だろう、隣町の夏祭りといえばかなり規模が大きい
祭があるそれに間違いないだろう、そしてもう一つ…その祭りは男女組じゃないと入れない残酷なルールがあったのだった。