第2章 テスト…そして夏休み前半
霧が晴れる頃に 34話 昼休み
昼休みに入り、約束通り慶と2人で保健室へ向かう。すると途中でバレー部主将、黄砂に会った。
ついでとばかりに2人は今日の部活を休むことを伝えた、楓を1人で帰させないためと、林の見舞いに行くからだ。
バレー部は休むことに対して厳しい方ではないので、あっさり承諾された。
楓は寝ているかもしれないのでゆっくり扉を開けると楓は暇そうに枕を抱えていた。
そのため仁達が目に入れば少し嬉しそうに見えた。
それから3人は少しばかり会話を弾ませた。
「雪原さん雪原さん。仁がお姫様抱っこで抱えて行ったときどんな気持ちだった?」
「ばーか、あの時楓、気を失ってたろーが、あとそーゆー質問はすんな!」
慶の頭をひっぱたきながら仁が言う。
「だってよ、仁、お前があんなふうに出ていくから大騒ぎだったぜ」
「仕方ねーだろ、緊急事態だ」
そんな二人の会話を聞きながら楓は質問をした。
「そんな大騒ぎだったら仁、戻ったとき冷やかされなかった?」
「あぁ…まぁ別に…」
「こいつ!冷やかされそうになった瞬間おっそろしい目でクラス中を見回したんだよ!凍りつくような目線!ピッキーン!って感じ。そしたら誰もなにも言わなかったんだよ!」
「余計なことを!」
頭を再びひっぱたかれた慶はヒーヒー言いながら自分の頭を撫でる。
そんな様子をまるでコントでも見るように笑って見ている楓の顔色は良い。頬は元の雪のような肌に戻り、熱もまた少し下がったようだった。
そんな会話だなコントだかを話し、時計を見た仁はもう鐘が鳴ると言って「楓、帰り迎えに来るから待ってな、荷物も持ってくっから」
と、言い渡し、5時間目の家庭科の授業へ向かった。