第2章 テスト…そして夏休み前半
霧が晴れる頃に 28話 テスト結果
そんな勉強会を開いてから約3週間、テスト返却日。
「あー緊張する~、テストで緊張するとか初めてだよ~」
「全部埋まったんだろ?大丈夫」
「…そんな難しかった?」
「雪原さんにとってはね…」
林・仁・楓・慶という順番で朝のHRと1時間目の間にそんな会話をする教室ではピリピリとした空気が漂い、大抵のクラスメイトは緊張していた。
そして…帰り道
結果からいえば(各教科100点満点で今回は5教科)(学年全員で250人)
雪原楓495/500点 学年1位
霧ケ谷仁486/500点学年7位
霙林245/500点 年150位
雨宮慶243/500点学年153位
だった。
その結果にまず驚いたのは慶だった。
「仁!雪原さん!2人揃っておれの質問に『並です』なんて答えた癖に!学年1位と7位!?どーゆーこと!」
(あぁ、そんなこともあったなぁ)と楓と仁で同じような遠くを見る顔をすれば慶は「わーんっ!仁のばーか!」と言ってどこかに走り去る。
そんな慶をほっといて林が嬉しそうに仁と楓に駆け寄る。
「2人ともありがとう!私の下にまだ100人もいる!すごい!こんなの初めてっ!仁と楓ちゃんのおかげだよ!ありがとう!」
本当に嬉しかったのだろう、喜ぶ林に
「おぉ、頑張ったのは霙だから自分を褒めな、よくやったよ、ほんと」
と、仁は上手く褒めれない自分に残念だと思いながらも林を褒める。
「うん。次は半分目指そう?」
と、楓が素早く次の目標までつけて返せば林は2つ返事で了承して、走り去っていった慶を追いかける。
残った仁と楓だったが、楓が独り言のように「林…かわいいよね…」と静かに呟いた…