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霧が晴れる頃に

第2章 テスト…そして夏休み前半


霧が晴れる頃に 27話 林と慶は…

コーヒーを飲み、落ち着いた楓を見て、仁がほっとした時、林が歓喜の声をあげた。
「やったぁ!霧ケ谷君!とけたよ!とけた!」
勢い良く立ち、林の前に座っていた仁に抱き着く。
林の性格上から言ってこういうこともある程度予測していた仁は焦ることもなく、ゆっくり林を引き剥がす。
「おお、良く出来たな」
よしよしと頭を撫でてやる仁に林は嬉しそうに目を細めた。
その光景を見ていた慶は(天然たらし…いや、計算か?)と楓を再びいらつかせないよう勉強を進めながら答は天然たらしの男の行動に感想を抱いた。

慶が恐る恐る楓に課題にされていた問題集を提出すると楓の顔は微笑む。
「…やればできるね雨宮君」
さすがに慶に少し慣れて打ち解けてきた楓が柔らかな声で慶を褒める。
それが相当嬉しかったのだろう。さっき仁に頭を撫でられてすっかりやる気を出した林と一緒にガリガリ問題集を進めていった。
(そっくりだな…)兄弟のようにそっくりな2人を和やかな心で見ながらまた、林が問題を解けるまでしばしコーヒーを楽しむ…
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