第1章 入学
霧が晴れる頃に 23話 入部と説明
本入部の日、体育館で
「えー、この部活は平日は週4日休日は土曜日に主に部活を行います。例外で試合の時は日曜日にも行う場合があります」
バレーボール部の2年主将、黄砂元(こうさがん)が仁達に説明をした。
旭中学校の男子バレー部は人数が少なく3年生0人2年生4人そして仁達、新入部員の1年生は5人、合計9人しかいなかった。
黄砂が説明を続ける
「みての通り、部員が少ないのでポジションごとの練習をすぐに行い1年生にも即戦力になってもらう。そのため、ここでポジションを決めてもらう」
そう言われながら渡された紙には各ポジションの役割やどのような人が向いているかが書いてある。
(…やけに長いな)
だらだら長く書いてある文章はやる気に満ち溢れている主将が書いたものだろうが、初心者ばかりの1年生にこんな長く書いてもわかるはずがない。
…最も本を読みあさり広く浅い知識を持っている仁にはわかるのだが…
ここで少しわかりやすく簡潔にバレーボールのポジションについて説明しよう。
WS(ウイングスパイカー)
スパイクを主とするアタッカー
パワーがあると良い
MB(ミドルブロッカー)
ブロックを主とするブロッカー
コースを予測することができると良い
S(セッター)
トスを主とする司令塔
正確なボールコントロール、味方の配置、コート全体を見れる落ち着いた選手が良い
L(リベロ)
レシーブを主とする守りの要
反応が良く瞬発力のあると良い
L以外は背が高い方が望ましいがこの人数でそうもいってられない。
仁はすでに決めてあったSを選び
主将にそう伝えたが、なにがなんだかわからないという顔をしている慶にポジションの特長を簡潔に言ってから「お前はWSだ」
と、パワー馬鹿な慶に告げれば素直に頷き、慶も主将に伝える。
そうしていくうちに残りの1年生もなんとか決まったらしく全員買ったばかりのバレーボールシューズでアップを軽くしてから練習に加った。