第8章 エピローグ
霧が晴れる頃に 149話 最後に
5人でワイワイと教室に入ると紙で作った花やら、咲きはじめた桜の花やら葉やらで綺麗に飾り付けされていた。
「わぁ~」
冬花と林が声を揃えて歓声を上げる。
恐らく学級委員会が放課後に飾り付けたのだろう、ここ最近妙に教室に残ってなにやらせっせと作っていた。
(よくもまぁここまで…)
感心しながら席につくと教室の中央の天井に銀色の玉のようなものが見える。
「なにあれ、くす玉?」
楓が座った仁の頭に手を乗せ、寄りかかるようにしていってくる。
「くす玉…運動会とかのあれか」
「あんなのまで準備したのね」
そのくす玉の割れ目に小さな紐がついてるのを見て、これから何のパーティーが始まるのかという具合だった。
そうこうしていると五十嵐が教室に入ってきて、クラスメイトを座らせる。
「よし、みんなにゲリラから発表がある、よく聞け」
そういうとゲリラは立ち上がり、つかつかと教卓に行く。
「今日は終了式やって、成績表貰って帰るだけだったよね」
ゲリラの言葉にクラスメイト達はウンウンと頷く。
「どの部活も今日は無しだったね」
またクラスメイト達は頷く。
「そこで、最後の打ち上げを行いたいと思います!」
ゲリラの報告にワッと教室は盛り上がり、パチパチとクラスメイト達は手を叩く。
「で、我らが五十嵐先生も交えるには学校外だと流石に立場的にマズイらしいから教室で!それでこんな飾り付けをしました!」
「よくやった!」
「流石学級委員!」
「よっ、男前!飾り付けは若干女々しい!」
声援…また、ヤジを入れるクラスメイトを手で制し、ゲリラは言葉を続ける。
「では!終了式終わって一旦帰ってから、各自飲み物やらお菓子やらを持って集合な!」
1年1組が、これまでで1番嬉しそうな声で声を揃えて言った。
「了解!!」