第7章 霧が晴れる時
霧が晴れる頃に 145話 思い返す
コポポポポポポポ
4時50分、コーヒーを入れて楓を待っている仁は何となくこの1年間を思い出していた。
(入学して最初にあったのは霙だったな、メッチャ緊張してたな)
林の持ってきた持ち物プリントを踏んでしまったのが出会いだった。
(で、そのあと慶と一緒に挨拶に来てそのまま隣の席か…そういや帰り道に質問責めにあったな)
学力は並とかいう大嘘をついたのもその時だ。
(楓もたまたま同じクラスだったな…そういや楓と慶と林はどうやって知り合ったんだっけ…あぁ…押しかけて来たのか)
楓が本を返したいと家に来たところに慶と林が乱入。それで知り合った。
(んで、テストやって、そのあと楓が倒れたんだ…)
あの時は必死だったが今思い返すと恥ずかしくなったのでそのことに関しては思い返すのをやめた。
(で、えっと…夏休み入って夏祭りやらプールやら行って、そんで夏休み開けて、運動会か)
慶がやたら活躍してたのと楓の3人抜きが記憶に深く残っている。
(で、楓が運動会の打ち上げの後に…か)
と、そこで、チャイムが鳴った。