第6章 春へ…
霧が晴れる頃に 138話 作戦会議
その日の午後、さっそく霧ケ谷家に中ば強引に集まり早速『慶ちゃん告白大作戦』とやらをした。
ちなみにサブタイトルは『冬の星に愛を届けよう』らしい(星冬花という名前だから)
「さぁ慶ちゃん!!そこに正座しなさい!」
小さな体を精一杯に大きくし腕を組んで仁王立ちしている林がいつになく偉そうに言う。
「全く、慶ちゃんはこれまでろくな恋愛してないからね、冬花ちゃんいい子だし、成功してもらわなきゃ」
やたら熱の入った林の言葉に気になったことがあったので仁が質問する。
「なぁ、霙、ずっと前の…4月か、なんか慶の告白の仕方がどうのって話があったんだが」
確かにあった、まだ2人とあって間もない頃、質問攻めを受けていた仁だったがいつのまにか慶の悲惨な失恋理由の話をチラッと聞いたことがある。
(6話 帰り道に参照)
「あー!懐かしい~、えっとね、慶ちゃんね、これまでね『俺に毎日味噌汁を作ってくれ』とか『一緒の墓に入ってくれ』とか、小学生にして重すぎる告白してたねー」
人の黒歴史を堂々と散らす林に少し恐怖を覚えた仁。
慶はその黒歴史に両手を顔に当ててうずくまっている。
楓がそろそろ慶がかわいそうになったのか、本題を切り出す。
「そう、じゃあ雨宮君がどうやって告白するか考えなきゃね」
「う~ん…私も自分から告った経験ないからな…」
林が頭を悩ませる。
(林は以前告られるがふっているとは言っていた、真偽は不明)
黒歴史の差恥から抜け出して来た慶はいいことでも思いついたかのようにニヤリと笑う。
「仁と雪原さんはどうやって付き合ったんだ?どっちが告ったんだ」
「あっ!それ気になる!教えて教えて」
慶と林の興味心身な視線を受け仁も楓もあの時のことを思いだし2人そろって赤面する。
そのカップルの余りにもなシンクロ率にますます興味が湧いた慶と林は仁と楓に詰め寄って来た。
「告白の為にも!是非!」
「是非!!参考に!!」
仁は一息大きな溜息をついた。