第6章 春へ…
霧が晴れる頃に 131話 銃声
(あいつが持っているピストルはシングル・アクション・アーミー。総弾数6発。
3発コンビニで使って、教室に入ってきて1発…これじゃ特攻は使えない…。もうアレにかけるしかない…)
仁は待つ。慶と目を合わせ足元で手でサインをし、合図するから待てとなんとか伝える。
10分が経過すると赤雲の仁達を見張っていた鋭い眼光が緩む。
その瞬間…
ピピピピピピピピ
「なんだぁ?」
赤雲が突如背後からなりだした機械音に反応し、後ろを見る。
「今っ!!」
合図すると同時に仁は駆け出すが一瞬早く慶は赤雲の方へ駆け出していた。
もともと仁より2歩分赤雲に近い慶は仁の3歩先を行く。
仁の合図の声に反応した赤雲は前を向き直り慶が突進してくるのに気付いた。
右手に持つピストルを構え、ニタッと気持ち悪い笑みを浮かべ、引き金を引く。
バンッと銃声が鳴り響いた。
仁の目の前を走る慶が、よろよろと近くの机に手をつき体を支えようとするが、支え切れずそのまま机ごとガシャンと音をたてて倒れた…