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霧が晴れる頃に

第5章 冬へ…


霧が晴れる頃に 115話 当日の朝

それから1組は練習を繰り返し、仁は慶を家に呼んで伴奏と指揮者の息を合わせたり、強弱を楽譜に書き込んだりと、合唱コンクールへの準備を進めていった。


そして当日。合唱コンクールは1、2時間目に行う。
仁達のクラスはかなり真面目に練習をしたので優勝候補と言われているが他のクラスの出来具合もわからず少しピリピリした雰囲気が教室を流れている。

その教室の中で、慶はいつもより余計に良く喋っていた。
「もうすぐか、後1時間後にはもう終わってるな!!あー、ドキドキする!早くやっちゃいたいな、疲れる!」
「…慶、緊張してるのはわかるが喋り過ぎだ、うるさい」
仁がため息混じりにそういうと慶は口を尖らせて言う。
「仁!お前は緊張しねぇのかよ!指揮者よりも伴奏者って失敗目立つじゃねぇか」
「まあな」
もうめんどくさくなった仁は適当に返事をし、会話を終了させる。

楓と林が
「歌詞間違えたら恥ずかしいね」
「ばれないと思うよ?」
「楓ちゃんは声小さいから!もったいないなぁ、声とっても可愛いのに」
「林の声のが可愛いよ?」
と、会話をしている脇で仁は
(今日さみぃな…手、動くようにあっためねぇと)と、初めて伴奏の心配を少しだけした。
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