第1章 全面戦争
「ほーん、それにしても不思議やなぁ。苗字なんて名前の奴、クラスにいたか?」
私が答えようとしてるのに考え込むな!訝しげな顔すな!推理に入るな!もう早くあの子のところに行ってやってくれ__
そう願うと服部くんは私の願いが通じたのか考えてる最中に時計を確認して「まずい!和葉のこと忘れとった!じゃ!また後で!」と言って隣のクラスへと消えてしまった。時間にして残り2分での別のクラスへの訪問。確か、あの子は用があると言っていたはず。
私がいきなり転生して高校生とか無理がある。どうせなら京都の山かなんかで、服部平次くんが初恋をする役を私にやらせて欲しかった。でも服部くんがあの日目撃した人物に素直に惚れてのっかえるほどのアホにはしたくなかったのかもしれない。
あの子はほったらかしにされたことをカンカンに怒るだろう。私でも怒る。
服部くんがいないまま授業のチャイムが鳴り、授業が始まった。
静かな教室に先生の声だけが響く。私は浮かない顔して、さっきのことを振り返った。
何も、変えられなかった。
あの二人のカップリングが見れないとか、結婚が受け入れられない、付き合ったのあり得ないとか言いながら何も阻止する気が起きなかった。
あの子にだって服部くんと結ばれず、他の男と結ばれる世界線があるはずなのに。そのために神様はわたしにチャンスをくださったのに。悔しい。これじゃ転生した意味がないじゃないか!
「おお服部か」
先生の言葉に顔をあげてしまった。
「すまん!先生!和葉と話とった!」
「全くオマエらは仲良しだなー」
『よーおしどり夫婦!』
「誰がおしどり夫婦やねんそんなんちゃうわボケ!」
先生だけじゃなくクラスの男子からも揶揄われる服部。ふたりはクラスも公認の仲みたい。
そんな中私は悪役を演じて服部くんを取るんだ。どこまで出来るかわからない。
だけどリベンジを賭ける。
服部くんが帰ってきてから胸が苦しいから。服部くんはこの態度からしてまだあの子への好意に気づいていない。どちらも鈍感だったような気がするから早いうちになんとかできないかな。
ちょうどその時、ガラケーのバイブレーションが鳴った。
机の下から携帯を開けてみる。
そこには自分の親の本名が記載されていて、私の家族が、実家の佐賀から大阪に移住してくるとのうましがあった。