第2章 お好み焼き
「(実物)、大きくてかっこいいね」
バイクは私の腰よりちょっと高い所に座席があった。バイク全体を見てみると私の首から下、半分くらいの大きさに見える。それが夕暮れに近い太陽の光を浴びてギラギラと服部くんの小麦色の肌みたいに輝いている。
「カッコええやろ、カワサキ KLX250って言うねん。知らんやろ?」
「知らない」
「ふふ、知ってて損はないで?」
服部くんは得意げに言ってくれた。普段の喋りより抑揚が付いてる気がするし、口角が上がっている気がする。相当ご自慢のバイクらしい。分かりやすいくらいにテンションが上がってるの可愛いな。
「あ、ほらこれヘルメットな。ちゃんと付けとって」といって言って、ヘルメットが手渡された。頭の部分がとんがった、あのアニメでよく見るヘルメットだ。
「ありがとう」
ヘルメットを装着しながら考えてみる。バイクも自転車もわたしはあまり乗り慣れていないけれど大丈夫だろうか。そういえば。さっきは気づいてなかったけど。服部くんってこのバイクにどんな相手でも乗せてしまうようなお人よしなのかな。どんな相手でも後ろに手を回しとき、と言っているのかな。
「付けれたか?」
「大丈夫」
確認のために私の方を振り向いてくれて、確認してくれる服部くんに優しさを感じた。
服部くんが先に座席に乗り、「座って」と言われるので逡巡する。本当に載せてくれるんだという嬉しさと本当にこれで大阪に向えるのかという疑問が同時にきた。
よっこいしょとバイクに跨ってみると意外と足がつかないことがわかった。私は女子だとかなり高身長なほうなんだけど地面に足を着かせるには伸ばしてやっと届くくらいだし視界も意外と高い。いやなことに気付いちゃった...。あと、私が乗った事でバイクが横に倒れちゃうんじゃ?とか思ったら怖い。
「は、は、はっ!服部くん!バイク乗るの初めてなの!」
「あ?こんなのが怖いんか?」
服部くんからはわたしがバイクに跨ってフルフル動いてるように見えたようで「あーあ!じっと座っとき!動いたらあかん!そんな簡単に傾かないから落ち着けて!」と注意した。
「自衛隊も採用してるオフロードやから大丈夫やって!怖かったらずっと目瞑りや」
「は、い、ひいっ」