第2章 お好み焼き
「こんにちは、服部くんと同級生の苗字名前といいます!」
自己紹介をすると毛利小五郎さんの目が輝くのがわかった。なんか手を握られている。女の子が来てくれたからかな。私、顔立ちそんなに整ってなくて、格別美人でもないと思うんだけどそんな喜ばれるとは...。
小五郎さんのことは好きでも嫌いでもないけれど今日は「この子、探偵坊主の彼女?」とか失言しちゃわないことを祈る。服部くんからいや違うで?って否定されると傷ついちゃうから。
「おっちゃん離してあげなよ、こんにちは!おねーさん!ボクコナンって言うんだ」
「こんにちは!コナンくん!」
「名前ちゃん!私は蘭って言うの、よろしく!」
「よろしく!蘭ちゃん」
蘭ちゃんはわたしに一歩近づいてから手を握ってくれた。白くて健康的な腕。触られると柔らかさが伝わって、わたしは心のなかで(ひゃ〜)と声を上げた。生蘭姉ちゃんだ〜!!なんか近寄ったときに優しい匂いするし、かわいい〜!!
コナンくんは私のことを他の少年探偵団の子たちと同じように憧れと尊敬が入り混じった目で見ていたようだがそれは演技っぽい。私が一瞬目を離した隙にコナンくんは半目の小生意気な顔になってたから。この顔アニメで見たことあるなぁ。
小五郎さんのトンチキ推理を聞いて、「まあ、そうだよね」みたいな顔をするときの顔だ。
ということは、私のことをすごい人だとは思っていないらしい。
普通に接してくれてはいるけれど、推理を任せるにはちょっと頼りない、くらいの認識なのだろう。
……まあ、実際そうなのかもしれない。
事件は無事に解決できた。
コナンくんの正体は工藤新一だと、とっくに知ってしまっている服部くん伝いの情報によるとやっぱりあまり頼りにならない、という評らしい。
「ま、名前も頑張れよ」って言って肩を小突く服部くんもちょっと意地悪だ。今日の事件では燃えてきて持ち前の知識を全て活かしたのにコナンくんと服部くんにヒントを与えただけで終わってしまった。二人が合わさるとほんとに、陳腐な言葉でしか表現できないけど無敵なんだ。だから戦力外通告をされた気がしてなんだか悔しかった。