第2章 お好み焼き
あの子と一緒なのは嫌なんだ___とは言えなかった。
「そうなん?じゃあ呼びやすいほうでええわ
あ、俺は名前さんのこと名前って呼ぶからな」
「嬉しい!」
ニコッと笑ったところ、見てくれたかなぁ。見てないんだろうな。
服部くんはこのようにいきなり距離を詰めてくることがあるもんだから心臓に悪い。なんでこんなことが平気で出来るのだろうか。陽キャ、だからかな。
目まぐるしく景色が変わる、パトカーの中で考える。青山男子を好意に気付かせるってどうしたらいいのだろう。
*
パトカーから降りると目の前には米花町の街並みが広がっていた。いよいよコナンくんの街に来ましたか。緊張する。
「さあお好み焼き食いに行こか」
「え」
どうやら大阪本場のお好み焼きではなかったようだ。ちょっと残念だったけど美味しいお店ではあったので気分は半々って感じ。
「来てみ」と言って先頭を歩いて行った服部くんについて行き、とある大通りにまで連れて行かれると街路樹と地下鉄の入り口が目に入った。その道のまんなかあたりに見覚えのある髪型の人たちがいるのがわかった。
左から蘭ちゃん、コナンくん、小五郎さんだ。近づいてみると少年探偵団と一緒に灰原哀ちゃんもいる。すごい。本当に存在してたんだ。主要キャラが一気に出てくると「トリップしてきた」って感じがするな。
服部くんが小五郎さんと挨拶している時にコナンくんの方に目をやってみた。コナンくんは私の予想よりずっと小さかった。背はわたしのお腹あたりくらいしかなかった。アニメで何度も見ているはずなのに、実物になるとこんなに違うんだ。さて。私はコナンくんのどう言うポジションで登場しましょうか。黒の組織みたいに出会いを印象付けて、怪しく登場するシーンに憧れていたけど。わざとお酒に関する話題を出してキツネとタヌキの化かし合いみたいな派手な推理戦とかやってみたかったけど、やっぱりコナンくんには勝てないと思うし、この物語も要素を入れ込みすぎると破綻するので普通に登場してやることにした。