第18章 朝
そう言いながら、脹相は私をぐっと抱き寄せた。
「……もう少し、このままでいさせてくれ」
耳元で、小さく囁く。
「……今は、まだ離したくない」
私は彼の背中に腕を回した。
「……うん。いいよ」
脹相は、ほっとしたように息を吐いた。
そして、私の髪にそっと口づける。
「……ただいま」
「……おかえり」
もう一度、ぎゅっと抱きしめ合う。
私たちの関係が、公に認められたわけではない。
これから先も、きっと簡単なことばかりではないだろう。
それでも、今ここに脹相がいる。
私を抱きしめてくれている。
これからもそばにいたいと、そう言ってくれた。
それだけで、十分だった。