第17章 安眠できると思ったのに
……眠れる気がしない。
久しぶりに帰ってきたというのに。
今夜こそ、彼女の隣で安心して眠れると思っていたのに。
まさか、こんなことで一睡もできなくなるとは思わなかった。
「……参ったな」
小さく呟き、俺は天井を見上げた。
腕の中の彼女は、相変わらず気持ちよさそうに眠っている。
……まあ、いい。
今夜は眠れなくても構わない。
こうして彼女を抱きしめていられるだけで、十分幸せなのだから。
……ただ。
明日の朝、彼女が目を覚ましたら。
少しだけ、聞いてみてもいいだろうか。
いや。
やめておこう。
やはり、聞ける気がしない。
「…………」
俺はそっと目を閉じた。
そして、数秒後。
「…………」
再び目を開けた。
……駄目だ。
やはり、気になる。
腕の中の彼女は、そんな俺の葛藤など知るはずもなく、幸せそうに俺の胸元へすり寄ってくる。
俺はもう一度、天井を見つめた。
――長い夜になりそうだった。