第17章 安眠できると思ったのに
……本当に、無自覚なのだろう。
俺を信頼してくれているからこそ、こんなにも無防備に眠っている。
それがわかるから、余計に困る。
俺は彼女を大切にしたい。
安心して眠ってほしい。
せっかく帰ってきたのだから、こうして一緒に過ごせる時間を何よりも大事にしたい。
だからこそ、今さら自分の都合で彼女を起こすわけにもいかなかった。
……確認するべきか?
いや、何を確認するというのだ。それは俺が触れたいだけだ。
下着をつけているかどうかなど、明日本人に聞けば済む話だ。
だが、今この状況で聞いたら、どう考えても不自然だろう。
『お前は、俺がいない間、下着をつけずに眠っていたのか?』
…………。
無理だ。
そんなことを真顔で尋ねる自分を想像しただけで、頭が痛くなった。
そもそも、仮にそうだったとして、何が問題なのだ。
彼女は自分の家で、自分のベッドで眠っていただけだ。
俺が勝手に気にしているだけなのだから、何も言うべきではない。
……そう。
何も言うべきではない。
俺は自分に言い聞かせるように、ゆっくりと息を吐いた。
「少しだけなら」
いや、止まれる自信がない。
寝ているところを襲うのはどうなんだ。
せめて起きていて、嫌ではないかの意思表示ができる時でなければ…
そして、彼女の背中を優しく撫でる。
「……お前は、本当に……」
言葉が続かなかった。
可愛い。
愛おしい。
会いたかった。
その全部に加えて、今はどうしようもなく落ち着かない。
彼女は俺の腕の中で、幸せそうに眠っている。
時折、思い出したように俺の服を握り、離れないようにする。
そのたびに、俺の心臓は落ち着くどころか、ますます騒がしくなった。