第17章 安眠できると思ったのに
……待て。
いや、待て。
俺はゆっくりと、今の状況を整理した。
彼女は俺の腕の中にいる。
俺は彼女を抱きしめている。
そして、背中に触れた手の感触が、以前とはどこか違う。
いや、正確には。
以前と違うというより、何かが足りない。
「…………」
俺は息を潜めた。
まさか。
いや、そんなはずは。
しかし、思い当たることは一つしかなかった。
……下着を、つけていないのか?
その考えに至った瞬間、頭の中が真っ白になった。
いや、待て。
確かめたわけではない。
服の上から触れただけだ。俺の勘違いという可能性だってある。
だが、彼女と一緒に暮らしていた頃のことを思い返すと、俺の記憶では、彼女は普段から下着を身につけていたはずだった。
少なくとも、俺と一緒に過ごしていたときは。
……では。
俺がいない間は、どうしていたのだろう。
「…………」
いや、何を考えているんだ、俺は。
一人で暮らしているのだから、何を着ようと彼女の自由だ。
家の中で楽な格好をしたい日もあるだろう。
締めつけが気になることだってあるかもしれない。