• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

③呪術廻戦〜脹相と恋人と絡み〜

第17章 安眠できると思ったのに


……困った。

本当に、困ったことになった。

彼女を腕の中に抱きしめたまま、俺は暗い天井を見つめていた。

久しぶりに帰ってきた家。
久しぶりに隣で眠る彼女。

それだけで、胸がいっぱいになるはずだった。

実際、最初はそうだった。

彼女の体温を感じ、髪の匂いを感じ、腕の中に収まる身体を確かめる。

ああ、帰ってきたのだと。

ようやく、この温もりを取り戻せたのだと。

そう思っていた。

……つい先ほどまでは。

「……ん……」

彼女が小さく身じろぎし、俺の胸元へ頬をすり寄せた。

無意識なのだろう。

俺の背に腕を回し、逃がすまいとするように身体を寄せてくる。

可愛い。

それはもう、どうしようもなく可愛い。

問題は、そこではなかった。

……柔らかい。

いや、彼女が柔らかいことなど、知っている。

抱きしめれば温かく、腕の中にすっぽりと収まる。頬に触れれば柔らかいし、手を握れば小さな手が俺の指を包み込む。

そんなことは、今さら驚くようなことではない。

だが。

……あまりにも、柔らかすぎないか?

ふと、そんな疑問が頭をよぎった。

俺は彼女を起こさないよう、そっと背中に手を回した。

その瞬間。

「…………」

手のひらに伝わる感触に、思考が止まった。
/ 95ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp