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③呪術廻戦〜脹相と恋人と絡み〜

第15章 牽制


――五条悟視点。

「ねえ、学長。僕の大切な子なんだけど、いつまで調べんの?」

五条は楽巌寺の机に身を乗り出し、にっこりと笑った。

「彼女の行動も、任務先での様子も。最近、ずいぶん熱心に調べてるみたいじゃない?」

「高専の人間について把握しておくのは当然だ」

「ふうん? じゃあ、脹相とのことも?」

楽巌寺の眉間に皺が寄った。

「……呪いと人間が恋愛関係になるなど、言語道断だ」

「おやおや。厳しいねえ」

「当然だ。個人的な情で判断を誤るようなことがあってはならん」

五条は笑みを崩さないまま、尋ねた。

「それで、脹相は処分するの?」

「現時点では、その必要はない」

意外な返答に、五条はわずかに目を細めた。

楽巌寺は机の上の書類を手に取った。

「あの呪いは虎杖悠仁を弟と認識しておる。その虎杖を守るため、こちらに協力しているのだろう」

「うん。そうみたいだね」

「ならば、その関係を利用すればよい。人間に害をなさず、こちらの任務に協力しているのであれば、わざわざ処分する理由はない」

「へえ。ずいぶん合理的じゃない?」

「当然だ。使えるものを、感情だけで捨てる必要はない」

楽巌寺はそこで一度言葉を切った。

「それに、虎杖悠仁には宿儺の指を取り込ませておる」

五条の笑みが、ほんの少しだけ薄くなった。

「……ああ、そういう話?」

「宿儺の指をすべて取り込んだのち、虎杖は処刑される。それが現在の決定だ」

「うん」

「ならば、それまではあの呪いも生かしておけばよい。こちらにとっても利用価値がある」

楽巌寺は五条を見据えた。

「虎杖の処刑を執行することになれば、特級術師であるお前か乙骨憂太が対処することになるだろう」

「……僕か憂太、ねえ」

「そうだ。お前たちには、その責任を果たしてもらう」

五条は、にこりと笑った。

「はいはい。上の人たちも、ずいぶん面倒なことを考えるよねえ」

――まあ、抜け道なんてどうとでもできるけど。

そもそも、決定された処刑をそのまま実行する必要があるのか。

表向きの手順を整えることも、状況を覆すために手を回すことも、やりようはいくらでもある。

もちろん、今ここで口にするつもりはなかった。

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