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③呪術廻戦〜脹相と恋人と絡み〜

第14章 離れて暮らすのも



「……先生」
「んー?」
「いつまで、これを続けるんですか」

五条はすぐには答えなかった。
雨音だけが、二人の間に流れる。

先ほどまで浮かべていた笑顔が、ほんの少しだけ薄くなった。

「……そうだね」

五条は、彼女が歩いていった方向を見つめた。

「僕も、そろそろ動くよ」

いつもの軽い調子ではなかった。
それだけ言って、五条は静かに目を細める。
恵は、それ以上何も聞かなかった。

ただ、雨の中に消えていった彼女の姿を思い浮かべていた。
彼女が上着に顔を埋めたときの、あの嬉しそうな笑顔。

そして、その上着を託した脹相のことを。
二人が離れて暮らすようになってから、もうしばらく経つ。

守るための距離。
けれど、いつまでも離しておくことが正しいとは限らない。

五条は傘を持ち直し、ぽつりと呟いた。

「……あの子も、脹相も。そろそろ、寂しいのを我慢するのは終わりにしてあげないとね」

雨はまだ、静かに降り続いていた。
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