第13章 密会〜五条家
「……なあ」
脹相が口を開いた。
「ん?」
「……少し、時間をもらえないか?」
彼女は一瞬驚いたあと、ふわりと笑った。
「うん。いいよ」
「料理は……」
「下ごしらえは終わってるし、少しなら大丈夫!」
彼女は火を止め、手を洗ってからエプロンを外した。
そして、脹相のそばまで歩いてくる。
「どこで過ごそうか?」
脹相は一瞬迷ってから、静かに答えた。
「……お前の部屋がいい」
「私の部屋でいいの?」
「ああ」
彼女は嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、行こう?」
そう言って、彼女から手を差し出してくれる。
脹相はその手を見つめ、そっと握った。
指を絡めると、その温もりに、ようやく息がつけた気がした。