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③呪術廻戦〜脹相と恋人と絡み〜

第11章 密会〜研究室


「脹相は本当にいい子だね」

「……お前は」

「ん?」

次の瞬間。
座ったままの脹相が、私の腰に腕を回した。

「わっ……!」

驚いている間に、彼はそのまま私の胸元に顔を埋めるようにして抱きついてきた。

突然のことに、私は目を丸くする。

「ちょ、脹相?」

「……少しだけ」

くぐもった声が聞こえた。

彼の腕が、私の腰を優しく抱きしめている。

「少しだけ、このままでいさせてくれ」

その声があまりにも甘えているものだから、私は思わず笑ってしまった。

「……もしかして、ずっと我慢してた?」

「何をだ」

「こうやってくっつくの」

「……」

返事はない。
けれど、私の服を掴む指先に、ほんの少し力がこもった。

私は彼の頭に手を戻し、ゆっくりと撫でる。

「そっか。寂しかったんだね」

「……お前が、あまりにも普通に接するからな」

「普通に?」

「ああ。ここでは研究のことばかりで、俺のことなど気にしていないように見えた」

「ええっ、そんなことないよ!」

私は慌てて彼の顔を覗き込もうとしたけれど、脹相は離れようとしなかった。

「だって、脹相が協力してくれるのが嬉しかったんだもん。それに、研究中に甘えすぎたら、硝子さんにからかわれちゃうでしょ?」

「……あの女なら、十分にからかってくるだろうな」

「でしょ?」

二人で小さく笑う。
私は彼の頬に手を添えた。

「でも、私は脹相のこともちゃんと見てるよ」

脹相がゆっくりと顔を上げる。
すぐ近くに、いつもより少し甘えた表情があった。

「研究のために来てもらってるけど、脹相に会えるのも楽しみなんだから」

「……そうか」
「うん」

「……なら、もう少しここにいる」
「ふふ。いいよ」

私は彼の頭を胸元に引き寄せ、今度はこちらから抱きしめた。

脹相は満足したように目を閉じる。

「……やはり、お前に触れていると落ち着く」
「私もだよ」

「……家に帰ったら、もっと甘えてもいいか」

「もちろん」

そう答えると、脹相は私の腰に回した腕に、もう少しだけ力を込めた。

「……早く帰りたいな」

いつもなら何気なく聞き流してしまうような言葉なのに。

今は、その一言がとても愛おしかった。

脹相はもう一度、私の胸元に顔を寄せ、
研究室の静かな空気の中、私は彼の髪を撫で続けた。
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