第13章 尋問には黙秘を
「んでめぐチャン、実際どうなのよ?」
わざとらしく潜められたその声に滲み出る好奇心、グラスを傾けた山田くんがにやにやと私を見ている
助けを求めるように隣の相澤くんに視線を送ると、彼はふいと顔を背けてしまった
「こらこら俺が尋問中でしょうが」
何でもすぐ相澤にヘルプ出さないの、片眉を上げた山田くんがずいと身体を乗り出して声に圧を滲ませる
「ごめん・・つい・・」
「で、どれが好きなのよ、罪な女だねェ」
塚内さんとホークスとイレイザー、何とまぁ錚々たるメンバーだこと、二択だと思って聞いていた私は烏龍茶が気管に入り咽せ返った
「・・なんで俺が入るんだアホか」
「へーえ?お望みなら解説してやるけどォ?」
山田くんが挑発的にそう言うと、相澤くんがとてつもない剣幕で睨みをきかせて、今にも殴り合いになりそうな雰囲気に私は慌てて二人の間に入る
「大丈夫、!相澤くんは入らないよ・・!」
「入らねェってよ!ショーチャン聞いてるか」
「・・・」
思い切りジョッキを煽った相澤くんの喉がごくごくと鳴る、彼らしくない飲みっぷりに山田くんと私は一緒に目を見開いた
「山田お前帰れ、コイツ詰める」
「へっ、な、何!?山田くん帰らないで!」
「帰らねェよ!てかココ予約したのオレね!?」
個室とは言え大きく響いた山田くんの声、通り掛かった店員さんの視線を感じて私は小さく頭を下げた
「なーんで相澤は入らねェのよ?ラブラブのくせに」
「な・・っ、山田くんが一番知ってるでしょ!」
「それ言われちゃ何も言えねェな、よし二択にしよ」
「っふふ!」
漏れ出た笑い声に山田くんが上機嫌に料理を口に運んで、変わらずグラスを煽っている相澤くんはそっぽを向いている
学生時代もこんな風に私と相澤くんの仲を取り持ってくれたっけ、別れてからも気まずくならずに友人関係を続けて来られたのは、間違いなく山田くんのおかげなのだ
「今の関係、私はとっても心地いいよ」
いつもお世話になってます、何となく照れ臭くてぺこりと二人に頭を下げる
顔を顰めた相澤くんが私のお皿に乱暴に料理を取り分けて、それを見た山田くんは呆れたようにまた溜息をついた