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▶︎抽出時間はそれぞれ◀︎【ヒロアカ】

第10章 夜の終わりは朝の始まり



「妹さんと偶然出会ったのも、もしかして縁があるのかなって」

プレゼントの趣味が普通な所も似てるみたいだし、ちくりと刺さる視線に汗が背中を伝う
やっぱりまだ怒ってますよね、できるだけ自然に見えるよう身じろぎをすると彼女の微笑む気配がした


「真っ直ぐな目がとても素敵で、穏やかで、」

会えると嬉しくて、小さな声に甘さが滲んでいく
心が折れそうですめぐさん、あんまりだ、あの人の誠実さも謙虚さも知っているからこそ何の反論も浮かばない

正義に身を捧げ、人々の安全のために身を粉にするあの人が格好良いことは俺も知ってます、でもそれ俺も同じなんすけど、俺じゃダメですかね、





「ああ私はこの人が好きなんだ、って」


消えそうなその声が、俺の呼吸を止める
心臓が思い切り嫌な音を立てて、痛い
頼むから自覚しないで、貴女の口からそんな言葉聞きたくない、歯を食いしばり耐えて数秒、優しい手が俺の髪に触れた




「ちゃんとそう思ってたのに、何でかな」

揃い始めたパズルが核心へと近づいていく、まるで愛しいとでも言うように優しく髪を撫でるその指先が狂おしいほどに甘くて

あの人の事が好きだと今言ってたじゃないですか、なんでそんな手付きで俺を、




「・・頭の中がね、ホークスの事でいっぱいなの」

思わず思い切り開いた目、柔らかな髪が俺の左頬に触れている
ソファに顔を埋める彼女の耳がじわりと赤く染まって


本当に、ずるい人だ、これ以上無いほど加速していく甘い鼓動、起きているとバレたって構わない、今すぐ貴女に口付けたい




「でも、まだ、気持ちの変化に追いつけなくて」

顔を伏せたままの彼女が泣き出しそうな声で呟いて、俺はまた動けなくなる
戸惑いと自己嫌悪、そんな声出されたら俺何も出来ないじゃないですか


「だから今日、ここに来なければよかったってちょっと思ってるんだ」


喜べばいいのか悲しめばいいのか、甘くて苦い気持ちがその輪郭をこれでもかと強くして
溜息を溢した彼女が顔を上げる気配に、俺は咄嗟に目を閉じた



「・・おやすみ、ホークス」

ちゃんと整理できたら、きっと伝えさせてね、
優しい指先が頬に触れると花の香りが鼻を掠める

静かに閉められた扉の向こう、いつまで待っても聞こえない鍵の音が心を酷く乱して、俺はブランケットを思い切り抱き締めた
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