第1章 この顔も欲しいです
「あ、俺の甘くしてもらっていいです?」
どうも糖分が足りなくて、疲れたように肩に手を当てたホークスが態とらしく視線を絡めて、その調子の良さに私はたまらず吹き出した
「根津校長との面談、おつかれさま」
「めぐさんにそう言ってもらう為に頑張りました」
もっと褒めて下さい、覗き込むように合わせられた目、肩に触れそうなその手に無理やり角砂糖の瓶を握らせると彼は笑みを深くした
「自分で入れるんですかぁ?めぐさんに甘くして欲しいのに」
「ふふ!もう、いい加減にして」
「めぐさん、今日も可愛いですね」
あ、イレイザーも居たんすね、ひらひらと振られた手に相澤くんが思い切り顔を顰める
淡い色のカップを三つ準備しながら、私はお湯が沸くのを待った
「そんな怖い顔しないで、仕事の動線ですよ」
「公安ってやつは暇なんだな」
「ひどいなぁ」
大事な用事があるんです、頬杖を付いたホークスがお盆の上のカップをにこやかに見つめる
かちゃりと音を立ててそれらがテーブルに落ち着くと、彼はお砂糖の瓶の蓋を回した
「めぐさんの健康状態の確認」
「こいつは保健医だ」
「そう言われると思いました」
イレイザーってゼリー以外も飲むんすね、態とらしく片眉を上げて笑った彼を相澤くんが睨む
「お前には関係ない」
「相変わらず釣れないなぁ、ねぇめぐさん?」
「ふふ、でも相澤くんも可愛いところあるよ」
ぴくりと反応した相澤くんが私を見て大きな溜息を吐くと、ホークスが瓶の蓋を静かにテーブルに置いた
「・・へえ」
「おい、余計な事を言うな」
「長く一緒にいるとね、わかるようになるの」
「それはそれは・・、妬けますね」
柔く白い粒がホークスの手元でほどけて溶けていく、くるくると混ぜられたそれはあっという間に見えなくなって
めぐさんもお疲れでしょう、俺が甘やかしてあげます、悪戯っ子のように微笑んだホークスは私のカップにも角砂糖を二つ入れた