【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第5章 OPERATION⑤
ロイドはセリーナの腕を掴んだまま、エレベーターを降りた。
セリーナの手から部屋の鍵を取ると、片手で器用に鍵を解除してドアを開けた。
部屋の中にセリーナを押し入れると、ドアを閉めた。
「…………」
カチリと金属音が聞こえると、セリーナは困惑した顔でロイドを見ていた。
こんなにロイドに乱暴に扱われたのは初めてだった。
「…ロイド…」
思わずロイドの名前を呟いた。
セリーナの声を聞くと、ロイドはセリーナに歩み寄り、彼女の顔を両手で包んだ。
そのまま壁に押し付けられ、顔を上向きにさせられた。
逃れられない碧眼がセリーナに注がれる。
「…ロイド…」
ロイドは小さく動くセリーナの唇をジッと見ていた。
この果実のような唇に喰らい付いた時の甘美な刺激を知っている。
この唇から、他の男を誘惑するような言葉が囁かれたのだと思うと、腹の底に怒りが溜まった。
偽りの恋人に腹が立つこと自体が無意味なことを知っている。
任務にこんな感情は不要だと分かっているのに、ロイドはセリーナの体に他の男が触れるのが許せない。