【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第5章 OPERATION⑤
エレベーターが開くと、今度はロイドがセリーナの手首を掴んで中に入った。
ドアが閉まると同時に、セリーナの体はエレベーターの壁に押し付けられた。
掴んだセリーナの手首をそのまま壁に押し付けると、ロイドは顔をセリーナに近づけた。
「少し?少しっていうのは、上司を酒に酔わせて部屋に入ろうとする行為のことか?」
言葉とともに、セリーナの手首を掴むロイドの手に力が入った。
セリーナは痛みに顔を歪ませ、掴まれていない方の手をロイドの胸に置いた。
ロイドはそんなセリーナを気にすることなく、さらに体をセリーナに寄せた。
「答えろ、セリーナ。それが少し浮かれただけだと言うのか?」
まるで浮気を咎めている恋人のようなロイドの態度に、セリーナは思わず声を出しそうになった。
(聞きたいことはそうじゃないでしょう)
ロイドのその言葉を素直に受け止められず、セリーナは心の中で何度も反発した。
だけど、彼の正体を暴くまで演じることを決めたのだから、その私情は胸の中に押し込んだ。
セリーナが答えないまま、エレベーターは指定された階に止まった。