【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第5章 OPERATION⑤
その言葉は何の躊躇いもなく出てきた。
他の男とホテルに入ったとフランキーから聞いたときに抱いた感情を、そのまま吐き出せばよかったからだ。
完璧な恋人の言葉なのに、セリーナの瞳には不信感しか映っていなかった。
互いの仮面が剥がれかけた今、このロザリンデはどんな言葉を返してくるのだろう。
ロイドはただ、そんなことを考えていた。
セリーナは一瞬俯いた。
そして再び意を決したようにロイドを見上げると、彼の手を取り、そのまま歩き出した。
ロイドを引っ張るようにして向かった先は、ホテルのフロントだった。
「一部屋空いていますか?」
セリーナは躊躇うことなく宿泊の手続きを始めた。
都合よく空いていた部屋の鍵を受け取ると、セリーナはまたロイドを引っ張り、エレベーターホールに向かった。
その間、セリーナはロイドを振り返ることなく、エレベーターのボタンを押した。
エレベーターが近づく機械音に紛れて、セリーナの声が聞こえた。
「…ごめんなさい…、少し浮かれてしまったのは事実だわ」
「…少し?」
セリーナの言葉にロイドは眉を顰めた。