【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第5章 OPERATION⑤
ロイドが眉を顰めるのを見て、セリーナはもしかしたら彼が本当のことを言うのかもしれないと思った。
初めから自分に近付くことが目的で、セリーナの素行を探っていたのだと。
だけど、それだけでは説明がつかなかった。
現れたタイミングの絶妙さ。ワインの意味を理解し、セリーナの思惑を阻止した洞察力。
ーーー貴方は何者なの?
セリーナは、細められた碧眼がわずかに揺れるのを見ていた。
本当のことを話してくれたら、もしかして私たちはとても近い存在なんじゃないか。
だって、私が見てきた貴方は不正を働くような人じゃないから。
だからほんの少し…、少しだけでいいから隙を見せて欲しい。
それだけで私が全部暴いてあげるから。
そうしたら、自分たちは本当の恋人になれるかもしれない。
セリーナはロイドを見ながらそんなことを願った。
ロイドの唇が静かに開き、舌先で転がすような滑らかな言葉がこぼれた。
「自分の彼女が他の男とホテルに入ったのなら、正気でいられるはずないだろ?」
ロイドの声色も表情も、恋人の不貞を疑って傷ついた男のそれだった。