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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


爆豪は知らなかった。

彼女が、こんな顔をすることを。
こんな目で、自分を見ることを。

「……おもち」

思わず漏れた声は、いつもより掠れていた。
おもちは、そんな彼を見て、内心で小さく笑った。



ああ、可愛い。
普段は誰よりも強気で、少しのことでは動じないくせに。
自分が本気で向き合った途端、こんなにも分かりやすく反応する。

その不器用さが、妙に愛おしく感じられた。
爆豪の手は、まだ彼女の頬に触れている。

彼女はその手を避けることなく、今度は自分から一歩、彼との距離を詰めた。

爆豪が息を呑む。

おもちの指先が、彼の頬に触れた。



熱い。
普段から体温が高いのか、それとも今、緊張しているからなのか。
彼女は指先で頬の輪郭をたどり、そのまま首筋へと滑らせた。
先ほど、彼が自分にしたのと同じように。


「……っ、おい」


「なに?」


澄ました声で返す。


爆豪は答えられなかった。
自分から仕掛けたはずなのに、いつの間にか主導権を握られている。


彼女の指先が首筋に触れるたび、意識がそこへ集中してしまう。

おもちは、彼の反応を確かめるように目を細めた。
それから、ゆっくりと顔を近づける。

爆豪の肩がぴくりと揺れた。
唇が触れるかと思うほど近い距離。



けれど、彼女はそこで止まった。
そして、彼の耳元へ顔を寄せる。

「……おやすみ、勝己くん」

囁く声は、驚くほど甘かった。

「っ!!!!」

爆豪の顔が、一瞬で真っ赤に染まった。


耳まで赤い。
首筋まで赤い。
先ほどまで彼女を追い詰めていた男とは思えないほど、見事な動揺だった。
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