【WINDBREAKER】風鈴高校の紅一点🎐𓂃𓈒𓂂
第2章 獅子頭連編
梅宮に攻撃が全く当たっていないわけではない。どちらかと言えば、兎耳山の猛攻を受けている回数は、梅宮の方が多いはずだ。
それなのに、まるでノーダメージであるかのように、どこまでも清々しい笑顔を崩さずに戦い続けている梅宮。
そんな圧倒的な余裕を前にして、兎耳山もさすがに不思議に思ったのだろう。「おっかしーなー」と不満げな声を漏らした。
梅宮「軽いんだよ、お前の拳は。」
兎耳山「は……?」
梅宮「なぜだか、分かるか?」
兎耳山「…………」
梅宮「なにも……背負ってねぇからだ。」
梅宮よその冷静な指摘に激しい苛立ちを覚えたのか、兎耳山は突然、叫ぶようにして再び飛びかかってきた。
感情に任せた滅茶苦茶な攻撃を幾度も繰り返すが、その一撃一撃が梅宮に効いている様子は微塵もない。
それどころか、次の瞬間。梅宮に後頭部をガッチリと掴まれ、兎耳山はそのまま床へと顔面から盛大に叩きつけられてしまった。
「…………ッッ!」
激しく血が飛び散り、生々しい血の匂いが立ち込める壮絶な闘い。あまりの荒々しさに、目も当てられないほど血なまぐさい空気が会場全体に充満していく。
梅宮「お前の言う『楽しい』ってのは、一体なんだ。」
兎耳山「今みたいな……強い奴との喧嘩に決まってんだろッッ!!」
梅宮「そのわりには、お前の顔……全然楽しそうに見えねぇが?」
兎耳山「くっ……」
梅宮「理由はどうであれ、お前は組織のてっぺんに立ったんだろ。だったら……下のもんにあんな哀しい顔、させてんじゃねぇっっっっ!!!!!!!!!!」
梅宮の魂を揺さぶるような一喝とともに、重い右ストレートが兎耳山の頬に真っ直ぐにヒットした。その背中から放たれた言葉の数々が、の心の奥底までジンっと熱く染み渡っていく。
不思議と目頭が熱くなり、胸がいっぱいになって、頬を伝った一粒の雫が、ゆっくりと落ちて自分の手の甲を濡らした。
嗚呼。
なんて……。なんて…。
「かっこよすぎます……ッッ………梅ちゃんさん……。」